熱帯魚の薬の話
はじめに:以下の内容は個人的な見解を多く含んでいます。参考にされる場合は、個々の責任と判断でお願いします。
熱帯魚の薬って、品数こそ、それほど多くはないですが、似た様な名前の薬が多く、どんな時に何を使ったら良いのか?イマイチわからない。ピンとこない。
それに、例えば、「グリーンFゴールドリキッド」と「グリーンFゴールド顆粒」は、ほぼ名前は同じで、粉か液体だけの違いだと思っちゃいますが、配合されている有効成分がまったく違います。また、「グリーンFリキッド」と「グリーンFゴールドリキッド」は対象としている症状がそもそも違います。
ということで、メーカーの説明書やサイト、ネットの情報などを参考に、まとめてみました。
元ブログでも載っけたんですけどね…
- 市販薬と有効成分について各市販薬に含まれる有効成分と効果、注意事項、また、参考として、10リットルに添加する量に含まれる有効成分量を表にしてみました。
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市販薬と症状のマトリクス市販薬(一部お薬じゃないものがありますが・・・)と症状をマトリクスにしてみた。緑のセルは水草に影響が無い。少ないとメーカーが謳っている製品。黄色のセルは有効成分から水草に影響が少ないと思われる製品です。
- 顆粒、粉末薬品の計量
特に自身のような小さな水槽で熱帯魚を飼育している場合や、隔離水槽などで薬浴する場合、粉末状の薬は計量が面倒ですよね。
(自身は計量が面倒なので、小型の携帯電子秤を買っちゃいました。)
例えば「グリーンFゴールド顆粒」ですが、規定量表示は60リットルに対し1袋(2g)です。うちの約5リットルのトリートメント水槽で使うとなると規定量で0.16gしか使いません。
そこで、
600mlの水に「グリーンFゴールド顆粒」1袋2gを溶解して、以下の量で添加すれば規定量となります。
60lの水量に対し、600ml
30lの水量に対し、300ml
10lの水量に対し、100ml
1lの水量に対し、10ml
これで、ピペットやシリンジで計量できて使いやすくなります。ただし、残った溶液は保存があまりきかないので、破棄することになっちゃいますけど。 -
塩浴について
一般的には【塩分濃度0.5%】といわれています。これは、10リットルの水に対して50g程度の塩を入れて撹拌させた濃度ですね。
ただし、チョコレートグラミーは塩分に弱いといわれています。そういった、塩分に弱い魚がいる場合は、0.3%(10リットルに対し、30グラム)とか0.1%(10リットルに対し、10グラム)の方が良いかもしれません。
チョコレートグラミーについては、自身の経験から、極端に塩分に弱い印象があるので、塩浴は絶対に行いませんが。 - 鑑別できない時の初期治療
いつもと違う感じがする。でも、何の病気??って時の個人的な対処法。
基本的には、まず放置。念のため、水質確認をして、異常値があれば水換え。
様子を見て、やはり明らかに異常がある場合には、100%新水*1を入れたタンクに、エアレーションを行い、「グリーンFリキッド」と「グリーンFゴールド顆粒」を規定量の2/3程度添加して薬浴ですかね。
ここの判断は難しいです。 - トリートメント薬
生体導入時のトリートメントに関しては、薬はいらない。塩浴だけで良い。など、様々なやり方があるので、いろいろな方の意見を参考にして、自分が納得できる方法で良いと思います。
後日、自己流のトリートメントについては、少し整理してまとめるつもりですが、自身は通販で生体を購入することが多い為、輸送ダメージだけの場合(体色は薄いが、泳ぎに異常が無く、外傷や病気の兆候がない。チョコレートグラミーの場合はこれにくわえて、尾ビレが開いている場合)は薬浴はせず、「アクアセイフ」と「ジクラウォーター ベニッシモ」を規定量入れて、トリートメントタンクで様子を見ることに決めてます。
体色が著しく悪かったり、ヒレの一部が曇っている。または外傷がある場合には、魚毒性が最も少ないメチレンブルーと、消毒剤のアクリノールを含んでいる「グリーンFリキッド」を規定量の約半分添加。
体表が著しく荒れていたり、底でジッとして動かない場合は、細菌性疾病に効果のある「グリーンFゴールド顆粒」を規定量もしくはその半分添加してトリートメントします。
使いやすいのは液体の「グリーンFゴールドリキッド」や「観パラD」ですが、こちらはオキソリン酸が主成分で、強アルカリ性なのと、水草への影響が少ない為、自身は、万が一、メイン水槽でエロモナスやカラムナリスによる病気が発生し、薬浴しなくてはいけない場合に使う薬と位置付けています。また、オキソリン酸はキノロン系合成抗生剤である為、サルファ剤とフラン剤(グリーンFゴールド顆粒やエルバージュエースなど)の耐性菌に有効なので、いざという時の薬と思っています。
当然ですが、初期状態で明らかに病気の兆候がある場合は症状に適した市販薬を使います。 - (参考)症状に応じた市販薬の使用方法:トロント流(塩は使いません!)
- 白点病、水カビ病
発見が早く、変化点がわかっている場合は、対象魚を隔離して、魚に比較的易しいメチレンブルーが主成分の「グリーンFリキッド」を使用
発見が遅れた、変化点が不明の場合は、水槽内に蔓延する可能性が高い為、水草への影響が少ないマカライトグリーンが主成分の「アグテンパウダー」「フレッシュリーフ」を本水槽で使用
いずれも水温は徐々に上げて29℃程度にする
※発見が遅れて、複数の魚に白点が見られるが、それほど多くない場合は、1/3程度の水換えだけ行って、思い切って放置。という手もあります。塩を使えれば、塩浴のみでも良いかもですし、鷹の爪を2本ほど種を取って、刻んでティーパックなどに入れ、水流のある場所に設置して、しばらく様子を見る。という手も、ありだと思います。
- 白点病、水カビ病
いろいろと書きましたが、結局はメーカーさんの推奨する使用方法、用量を守って、あとは自分が納得できる責任範囲で対応していただくのが一番だと思います。
読んでいただきありがとうございました!
*1:塩分に強い生体の場合は0.3%塩水