Choco-Goura Keepers

アクアリウムに関するちょっとした話

このブログに記載している内容は、アクアリウムに関する個人的なメモを含みます。あくまでも自身の経験と知識による見解ですので、万が一参考にされる場合は個人の責任の下でお願いします。また、ご意見、ご感想等ございましたら、お気軽にコメントください。

アクアリウムでよく使われる水質指標を自分なりにまとめてみた話

タイトルから、かなり振りかぶってますが、アクアリウムでよく目にする水質に関連する用語や指標について、あくまでもアクアリウム目線で、そして個人的な意見をふんだんに交えて、まとめてみました。

今回も個人的な見解を大いに含みます。ご承知おきを。

 

pH(水素イオン濃度)
溶液中の水素イオンの量を1から14の数字で表したもの。

7を中心に、それ未満が酸性(数字が小さくなるほど強い酸性)。逆に7を超える場合がアルカリ性(数字が大きいほど強いアルカリ性)。水槽内の環境では、一般的に時間と共に酸性に傾いていく。

そしてよく聞くpHショックという言葉。特にエビは水質に敏感でpHショックを起こしやすいといわれていますが、うちのヤマトヌマエビに限っていうと、水換え前後でpH7.5から6.7程度急激に変化しても、何の問題も起こしません。
pHショックといっていますが、実際には水全体の成分の変化の影響をそう呼んでいるみたいです。
うちの例では、換水の水温を水槽内よりやや低めに調整している事と、試薬によるアンモニア濃度(NH3/NH4+)はほぼ0であり、pHが酸性方向に変化しているので影響が出なかっただけ。と考えています。
アンモニアのところで記載しますが、アンモニウムイオン(NH4+)は水温上昇と、特にpHが上昇する事で急激に遊離アンモニア(NH3)に変化する為、これが例えば試薬によるアンモニア濃度(NH3/NH4+)が2mg/l検出されている水槽で、水換え前後でpH8.0から8.8に変化した場合、実際の遊離アンモニア濃度は0.11mg/lから0.5mg/lに跳ね上がり、かなり危険な状態に陥る可能性が出てきます。
単純にpHショックといいますが、pHのみが影響するわけではないので、そこは注意しています。

簡単にまとめると:pH(水素イオン濃度)は、7を中性として、数値が低ければ酸性、高ければアルカリ性を表し、水槽管理の基礎となる指標。アルカリ性に傾くとアンモニアの毒性を高める。

その水槽が狙いのpHになっているか?または長く維持しているpHから大きく変化していないか?を確認し、変化が大きい場合には原因(添加物や汚れなど)や対応(水換えなど)を考える。
測定頻度:立ち上げ初期でなければ1週間に1度程度みていれば良いと思ってます。ただし、木酢液を使用したり、水換え時には都度確認。

 

 

KH(アルカリ度)
炭酸水素イオン(HCO3-)の量。

アルカリ度は数値が高くなればなるほど緩衝力が強く、水槽内のpHを急変させにくい。
アクアリウムでは単に水中の炭酸水素イオン(HCO3-)量のことで、化学で言っているKH(炭酸塩硬度)とは違います。
化学だと炭酸水素イオン(HCO3-)と結合しているカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)を合計した量のことをいい、以下の式で表されます。

GH(全硬度=TH総硬度)=KH(炭酸塩硬度)+非炭酸塩硬度

アクアリウムの試薬では炭酸塩硬度は測定できない為、実際にはカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)に加えHC03-と結合しているナトリウムイオン(Na+)なども測定しています。
そのため、理論上のKHよりもかなり大きく、誤差を含んだ値になり、測定するGHとKHには相関性は無く、測定した値がGH<KHなんて事になったりする。

簡単にまとめると:KH(アルカリ度)は、高ければ高いほどpHへの緩衝力が高く、pHを急変させにくい

水槽の管理においてはアルカリ度を測定しているだけなので、あまり重要ではない。
測定頻度:pHを確認していればアルカリ度は測定しなくても良い。という乱暴な言い方もできる。わざわざ測定する必要はなし。

 

 

GH(総硬度)
カルシウムイオン(Ca++)とマグネシウムイオン(Mg++)の合計量。

この数値が高い方が硬水、低いのは軟水。CaとMgのバランスはわからない。
どちらか一方が高濃度でも吸収できずに余ってしまうことから、GHが上昇する場合は、カルシウムイオン(Ca++)とマグネシウムイオン(Mg++)のバランスが悪いか、その他の微量元素が足りないと考えられる。

簡単にまとめると:GH(総硬度)は、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量で、数値が高いと硬水、低いと軟水を示す。

硬度を下げたい場合にはゼオライトによるイオン交換作用が有効だと思います。また、RO水を使用することでミネラル分を根こそぎ取り除くという方法もあるのでしょうけど、自身は基本的に肥料をあまり添加しないですし、そもそも淡水魚飼育でこれにお金をかける価値はないと今のところ思っています。
測定頻度:立ち上げ初期で石や大磯砂など一般的に硬度を上げるといわれているものを多く使用していて、pHを酸性寄りにしたい場合や、特に硬度に気を使う水草を植栽している場合に確認すれば良いかな。

 

 

TDS(伝導率)
電気をどれだけ通す水なのかを表したもの。

はっきりいって自分は淡水飼育での、これの重要性がまったくわからない。
純水(TDSは0)に対する不純物の量として判断できると思いますが、その不純物が何なのか特定できないので必要なミネラル分なのか、有害な物質なのかわからない。測定数値で云々という事ではなさそう。
数値の変化は見えるが、何かをした瞬間なら意味があるかもだけど、そうでない場合 「変化してるなぁ。。。。で??」ってなる。だから何??です。

簡単にまとめると:TDS(伝導率)は、純水を0として、水の中に溶けている物質の濃度を示す。(水質の良し悪し、水の汚れは数値からでは判断できない)

RO水など限りなく純水に近い(TDSが0に近い)水に対し、添加剤やミネラル分を添加しながら、水質調整するような管理をする場合に変化を確認できる。電気の通りやすさなので、不要な不純物の量でも水の汚れでもはない。
測定頻度:淡水飼育でRO水を使用していなければ測定する意味はほとんどない。「いらねーな。」これが自身の結論です。

 

 

NH3/NH4+(総アンモニア量)
遊離アンモニア(NH3)とアンモニウムイオン(NH4+)の合計量。

アクアリウムでいうアンモニアというのは総アンモニア量のことを言っている事が多い(少なくとも有名メーカーが出している試薬はこれを測定してます)。
アンモニウムイオンは水温の上昇とpHの上昇によって遊離アンモニアの状態に変化し、特にpHの上昇は加速度的に毒性の高い遊離アンモニアの割合を高めます。

簡単にまとめると:NH3/NH4+(総アンモニア量)は、非常に毒性が高く、同様の量でも特にpHが高い場合に毒性が高くなる。バクテリアにより亜硝酸塩に分解される。

試薬などを使用して、おおよその総アンモニア量がわかっても、pHが7と8では毒性が全く異なる事を頭に入れておかないといけない。
自分の場合は基本的にバクテリアが増殖するのを水換えをしながら待ちます。もしくは今まで飼育していた水槽の水やろ材、フィルターを移動します。
吸着するのであれば、ゼオライトが有効。活性炭では吸着できない。はず。
測定頻度:立ち上げ初期から検出されなくなるまでが基本でpHとセットで確認を行う。一度検出されなくなれば、よほどの変化が無い限り検出されなくなるので、水槽の水をすべて替えたり、塩浴、薬浴するなどした場合には確認する。

 

 

こんな感じ。

あくまでも自分の環境、飼育している魚や水草に限って感じたところを含んでいるので、ズレはあるかもしれませんが、自分なりにわかりやすくポイントをまとめたつもりです。

 

 

読んでいただき、ありがとうございました!!